平成31年度(令和元年度) 施政方針に関する行政報告

 また、第一次産業振興を市政の重要な柱とし、市民の所得向上を図るための施策も展開しています。

 まず、農業の所得アップ10を目指して、今年4月に県内初となる農業所得向上推進室を立ち上げるとともに、「農業所得アップアクションプラン」を7月に策定しました。現在、本プランに掲げております「売上の増加」「コストの縮減」「販路拡大を含めた流通体制の構築」の3点を柱として必要な事業を展開しています。

 このうち、まず1点目の「売上の増加」については、多品種の生産による所得向上を図るべく、ベストミックスの実証事業に着手し、玉ネギ・キャベツなど4品目で検証を行うとともに、多品目少量栽培の普及・拡大に向けた講習会を昨年度から9回開催し、現在64戸の農家が多品目少量栽培に取り組んでいます。
 あわせて、園芸用ハウスの整備支援を行っており、昨年度の6件の支援に加え、今年度も現在までに10件の要望を受け付け、今後、補助決定等を行う予定であります。
 また、肉用牛の増頭・更新対策につきましては、昨年度からJA延岡と連携して大幅に強化した結果、本市の牛の飼育頭数が、これまで減少の一途をたどっていたのですが、昨年度は増加に転じたところであり、今年度も引き続き強力に取組んでいます。

 2点目の「コストの縮減」については、農地中間管理事業を活用した農地集積に取り組み、今年度は現在までに「出し手」延べ98人から19.2haの農地を延べ26農家に集積したほか、機械導入支援にも取り組んでいます。
 また、経費の分析・軽減検討について、これまで25件の認定農業者のフォローアップを実施し、効率的かつ安定的な農業経営に向けた指導を行ったところであり、今後の分析・検討につなげてまいります。

 3点目の「販路拡大を含めた流通体制の構築」については、地域米のブランド化や玉ネギの早進化、単価が低い規格外品のネット販売による販路拡大への取組み、全国的な食材見本市や福岡市での「フードスタイル2019」への出展、ふるさと納税返礼品としての活用による売上増などを行っているほか、新たな流通体制の構築に向け、貨客混載型輸送やコールドチェーンの実証試験の実施、冷蔵設備等の整備に対する支援なども行ってまいります。

 また、農業のマンパワー確保についても、農業関係団体等で新たに設立した「延岡市農業労働力確保対策協議会」において、障がい者や一般市民を対象者とするお試し援農の実施や、援農支援システムの構築に向けた検討を行うとともに、農業労働力の確保・支援体制の運用主体となる「農山漁村版ハローワーク」の創設に向けた検討も行っています。
 あわせて、昨年度経営を開始した者も含め7人の新規就農者に対し、市独自の就農支援を行うほか、新たに設立された集落営農法人に対する支援にも取り組んでいます。
 さらに、広域農道整備への必要な協力、粟野名頭首工の改修、沖田地区ほ場整備の事業推進などにも取り組んでおります。

 このような中、このたび南浦地区に㈱Mトラストが進出し、キャベツ栽培を行うことが決まりました。今後このような農業企業誘致にもさらに取り組んでまいります。